死化粧師によるタイ死体博物館レポート

2019.11.22 コラム

こんにちは、死化粧師(しげしょうし)のエンゼル佐藤です。
今日は私がタイに旅行に行った時のお話です。
死体の話や写真が出てきますから、苦手な方はスルーしてくださいね。
このコラムは閲覧注意です。

※写真は当時、博物館の案内をしていた方に撮影の許可を頂いています。
本来は無断撮影は禁止エリアです。
無断転用は禁止いたします。

タイ シリラート死体博物館

私が主人とタイに旅行に行く機会があり、タイって何があるんだろ?
と、調べた時にここの存在を知りました。
世界で唯一ここにしか無い、珍しい博物館です。

花や美しい神殿が沢山ある美しい国ですが
人の生活にはこんな一面もある国でした。

興味本位で行く場所ではありません。
ここは病院の一角にある、研究機関なのです。
それでも、一般公開されていますから基本的に
誰でも入場料を払って入館できます。

色々な病気で亡くなった人の標本や病理解剖の標本があります。
私は勉強のために行きました。
(いえ、興味津々でしたけど ww)

タイのバンコクからチャオプラヤ川を渡ったトンブリー地区にあるシラリート病院に敷地内にそれはあります。
宿泊ホテルからタクシーで30分くらいでした。

ほとんど日本語は通じないのですが、ドライバーに
「シリラー」というと何とか通じます。

ここに訪れるのは、大抵がタイの医学生か医学関係の人、そして、観光客ですが一番多いのは日本人らしいです。
(死体を一番怖がる民族なのに、一番見たがる不思議さ)

標本の多くは病死の人ですが、中には『罪人』の死体も。

有名なのが男性の凶悪犯の死体で、死刑判決の後に処刑そして見せしめに標本になっていました。
生前は『シーウィー』という名だったそうです。
精神的疾患で彼は1950年代の数年間で5人の幼児を殺害し、不老長寿を信じて
その臓器を食べていたそうです。


この死体のある博物館は別名『シーウィー博物館』とも呼ばれています。
死後も供養の必要すら無いとの判決で永久に見せしめにされたそうです。

ある意味、凄いですね。
犯罪抑止になったのかな?

パラサイトロジー ミュージアム

Parasaitology Museum(パラサイトロジーミュージアム)
パラサイト(寄生虫)のことです。

解剖標本や処刑標本などの病理標を展示したシーウィーを出ると別館
パラサイトミュージアムがあります。
ここには、色々な感染症の病理標本や寄生虫の標本が展示されています。

ご遺体からも感染症が起こることは別の記事で述べていますが、
この頃より感染症に関する症例には興味がありました。

写真は『バンクロフト線虫』に感染した男性の症例と標本。
この感染症は実はかつては日本でもあったのです。
田畑での肥料が『し尿』を使っていた頃に多かったそうです。

人糞肥料なんて今はほとんど無いですよね?
タイでもその辺りが感染源だったそうです。
『肥溜め』なんて、おそらく昭和40年代生まれ辺りしか
記憶に無いかと思います。


日本でのバンクロフト線虫の症例については
目黒に寄生虫館があり、そこで研究論文と写真が展示されています。

興味がありましたら、外部リンクへどうぞ。

目黒寄生虫館サイトリンク
▼   ▼
https://www.kiseichu.org/

Congdon Anaomical Museum
(コンドン解剖学博物館)

タイの現代解剖学に貢献したコンドン教授の研究室を公開した博物館になります。
神経や筋肉、血管、骨などあらゆる解剖標本があり
タイの医学生の勉強に貢献しています。

日本の医学会でもかつてはフォルマリン漬けの解剖標本が
大学の医学部にはあったそうです。

よく死体洗いのバイトがあるなんて、ここから都市伝説が生まれたのかもしれませんね。
実際にやった事がある人に話を聞いた事はありませんけど。

写真はシャム双生児のフォルマリン標本です。

ベトナム戦争時に大量に撒かれた枯葉剤の影響で
こんな奇形児が沢山生まれた経緯があるそうです。

シャム双生児とは
子宮内で体が繋がった形で生まれてくる事をいいます。
今は『結合双生児』と表記しています。
シャム双生児と言われていた経緯は

歴史上で著名な結合双生児
『チャン・エン・ブンカー兄弟』の出生地が
タイのシャムであった事が由来だそうです。

本来は、ちゃんと二人の体に細胞分裂して
双子として生まれてくるはずが
何らかの影響で、成長が阻害されてこの様な
奇形児になるのですね。

実はシャム双生児のフォルマリン標本は
これ以外にも沢山あったのです。

一例だけ掲載いたします。

『ベトちゃんドクちゃん』を覚えている方もいるかと思います。

下半身が繋がった結合双生児で、お兄さんのベトさんが
急性脳症で重篤になり弟のドクさんも危険と判断され
日本赤十字社が支援しベトナム人医師70人と
日本人4人の医師団により分離手術をした人です。

当時、日本のメディアでも話題になりました。

お兄さんのグエン・ベトさんは2007年に残念ながら亡くなっていますが
弟のグエン・ドクさんは現在は結婚もされ健在です。

日本にも度々来日されており
2014年には東日本震災の被災した障害者と交流
2017年には広島国際大学の客員教授に就任されているそうです。

ちなみに、ドクさんにはお子さんがいて
やはり双子で生まれたそうです。

こんな影ではちょっとネガティブな場所もあるタイですが
花が美しく、美しい寺院も沢山ある国です。
美味しい物も沢山。

皆さんも一度、訪れてみてはいかがでしょう?


こちらの記事もぜひご覧ください

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