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遺体修復士の備忘録

2025.04.11 人間心理の深層

スピ系マルシェで得られるもの、そして失うもの


スピリチュアル系のマルシェに参加したことがあります。 最初は「何か新しい出会いや可能性があるかも」と思っていたけれど、 参加してみて感じたのは、**「これは商売ではない」**という確信でした。

そしてふと気づいたのです。 **「ここで得られるもの」と「失うもの」、冷静に見直してみる必要があるのでは?**と。


スピ系マルシェで得られるもの

一時的な承認欲求の充足

  • 「素敵ですね!」「癒されます」「あなたの波動すごい!」
  • 普段なかなか得られない“無条件の肯定”が、その場では簡単に得られる

共鳴・共振による仲間意識

  • 「引き寄せ」「ご縁」「宇宙」など、普通の場では浮くワードが共通語になる
  • 安心感・包まれている感覚が得られる

“やってる感”の達成

  • 商品が売れなくても、「出店した」「セッションした」ことで自己評価が上がる
  • 成果より「体験」が満足の中心

しかし、それは本当に“得ている”のか?

一見、得ているようで、実は…?

お金(利益)は得られにくい

  • 商品の価格設定が曖昧(「波動に合わせました」など)
  • 買う側も“体験”目当てなので、購買意欲が低い
  • 参加費をペイできず、赤字になる出展者も多い

フィードバック・成長の機会が少ない

  • 批判や指摘がタブー視され、「良かったね〜」しか返ってこない
  • 改善やブラッシュアップの材料が得られない

客ではなく“仲間”しか増えない

  • 感覚が似た人ばかりが集まり、「顧客」ではなく「同調者」が増える
  • 継続的にお金を払ってくれるリピーターが生まれにくい

似たもの同士で群れる理由

スピ系マルシェでは、価値観や言語が“ふんわり”で統一されているため、

  • 批判されない
  • 理屈を問われない
  • 心の傷を見せても受け入れてもらえる

という“安全地帯”が構築されている。 でもその分、現実的な課題(売上・評価・改善)には向き合わなくて済んでしまう。


スピマルシェの“得るもの/失うもの”を整理すると…

得られるもの失いやすいもの
一時的な承認・共感現実的な利益
安心できる居場所厳しいフィードバック
“やってる感”成長のための試行錯誤のチャンス
仲間意識顧客との本質的な信頼関係

参考リソース:迷った時は“逆占い師”ケンケンTVを見てみよう

もしあなたが、

  • 「これって本当に効果あるのかな…?」
  • 「なんかちょっと怪しいけど、私の感覚がおかしいのかな…?」
  • 「みんな信じてるから言えない…」

そんなふうに不安や違和感を感じているなら、 **YouTubeの『占い師ケンケンTV』**を一度覗いてみてほしい。

名前は“占い師”でも、実際の内容はスピリチュアルや霊感商法のカラクリを暴くデバンカー系。 冷静かつ論理的に、「なぜ人は騙されるのか」「詐欺師はどこを突いてくるのか」を解説している。

有名占い師やYouTubeスピ系の怪しい言動も、遠慮なくバッサリ切っていくスタイルは、 **スピにハマりそうになった人の“目を覚まさせる一撃”**になるかもしれません。

「信じるな、疑え」ではなく、 **「一歩引いて、現実を見よう」**という感覚を持てる、良質なフィルターの一つです。


実話:パチンコと“勝てるお守り”の話

かつて一緒に働いていたヘルパーさんが、こんなことを言ってきました。

「佐藤さん、これ買ったらパチンコに勝てそうな気がするの…」

と、週刊誌に載っていた「パチンコに勝てるお守り(3千円)」を見せてきたんです。

私は即座に言いました。

「ねえ、3千円あったら旦那さんに夕飯のおかず、二品くらい買えるんちゃう?」

その瞬間、彼女の表情がスッ…と現実に戻っていくのが分かりました。

“スピリチュアル”や“お守り”といった言葉の裏には、 「今の自分を変えたい」という気持ちがある。 だからこそ、そこに冷静な声を届けられる人が、そばにいることはとても大事です。


結論:それでも、私は“売る”覚悟で立つ

マルシェという場を「出店=商機」と捉えるなら、 承認ごっこや女子会的な空気感ではなく、 「価値を提供し、対価をいただく」プロの意識が必要だと思います。

癒しや優しさの世界もいいけれど、 現実に足をつけて、“価値”で勝負したい人にとっては、 スピ系マルシェは“得るよりも失うことの多い場”かもしれません。

あなたはどう思いますか?