2025.03.24 人間心理の深層
裏拍手をすると霊が来る?その正体を民俗学と実体験から読み解く【遺体修復士が解説】

「裏拍手は幽霊を呼ぶ」「呪物に触ると呪われる」「北枕は不吉」……こうした話を一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
遺体修復士である筆者が、これらの“禁忌”とされる行為について、民俗学的背景と自身の実体験から徹底解説します。
呪いや心霊の正体に迫りたい方へ。信じるも信じないも、知識の上で自由に判断していただける内容をお届けします。
裏拍手とは?異界と繋がる「逆さ事(さかさごと)」の象徴
裏拍手とは、手のひらではなく「手の甲同士を叩く拍手」のこと。
一部では「霊を呼ぶ」「異界と通じる」といった噂があり、都市伝説的にも扱われています。
この行為には、日本の伝統的な“逆さ文化”が関係しています。
死者との境界を示す逆の作法
日本の葬送文化には「逆の行為」で死者と生者を区別する風習があります。たとえば:
- 北枕で安置する
- 喪服は左前に着る
- 棺は裏口から出す
- 屏風を逆さに立てる
- 帰り道で逆さ水を撒く
これらは民俗学者・柳田國男なども記録しており、「あの世はこの世の逆である」という思想に根ざしています。
裏拍手もその文脈で「異界との接点」と見なされているのです。
神道と拍手の意味
神道では拍手(かしわで)は神聖な行為であり、手のひらを打ち鳴らして穢れを祓います。
裏拍手はこの「清め」とは逆の意味合いを持ち、民間信仰では「穢れや霊的な気配を呼ぶ」とされることもあります。
呪物の正体とは?心理学的視点から見る“思念の力”
呪物コレクターとして有名な田中俊行氏は、数々の曰く付きアイテムを保有していますが、特に問題もなく元気に活動中。
これは「呪いとは“物そのもの”ではなく、信じる人間の心が生む現象である」という視点を裏付ける興味深い例です。
呪いを信じるからこそ影響される?
心理学では以下のような概念が知られています:
- ノセボ効果:悪いことが起きると信じることで本当に体調が悪くなる現象
- 投影作用:自分の不安や恐怖を外部(霊や呪物)に映し出す働き
呪いとは“人間の思念が作り出す現象”であり、物理的に宿っているわけではないという考え方も多くの専門家に支持されています。
筆者は5年間北枕で生活中──その結果は…快調!
「北枕は縁起が悪い」という話もよく聞きますが、私はこの5年間、毎日北枕で眠っています。
その結果はというと……すこぶる快調! むしろよく眠れると感じています。
北枕は本当に不吉なのか?
実は仏教では、釈迦が入滅した際に北を枕にしていたとされ、本来は神聖な向きとされています。
また、風水の観点でも地磁気と合う向きとして「北枕は理にかなっている」という説もあります。
結論:「呪い」は人の文化と心が作り出す
裏拍手、呪物、北枕──どれもが「死」や「異界」との距離を表す象徴的な行為ですが、
実際には、人間の文化や思念によって“意味づけ”されているものに過ぎません。
呪いや心霊現象の正体を探ることは、私たち自身の価値観や死生観を見つめ直すことにも繋がります。
次回予告:「黒人の幽霊はなぜ現れないのか?」
次回は、心霊写真や怪談における“語られない存在”について掘り下げます。
私自身、これまで一度も「黒人の幽霊」や「黒人の心霊写真」を見聞きしたことがありません。
それは単なる偶然か、文化の偏りか――デリケートなテーマですが、差別や偏見なく真摯に考察したいと思います。
※この記事は民俗学・心理学の資料に基づいて執筆しています。信仰や霊的存在を否定する意図はありません。
あくまで文化的・心理的視点から“呪い”や“心霊現象”を読み解く一助となれば幸いです。