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遺体修復士の備忘録

2022.01.28 終焉の歴史を紐解く

死後の車窓から

【天に喰われる死体!?】チベットの“鳥葬”と日本人が忘れかけた死後の物語

こんにちは、遺体修復士のエンゼル佐藤です。

今回のテーマは、ちょっと怖くて、ちょっと切なくて、だけど超面白い——“死後の遺体はどう扱われるのか?”について。

タイトル、見覚えありますよね?
そう、某テレビ局で1987年から放送されている超・超・長寿紀行番組「世界の車窓から」のオマージュ……と思いきや、今日はもっと深〜い、そしてディープでダークな“死後の車窓から”をお届けします。

■世界の果てで、死体は天に喰われる——チベットの鳥葬とは?

あなたは“鳥葬(ちょうそう)”をご存じでしょうか?

それは、亡骸をハゲタカに食べさせるという、現代日本では絶対に地上波放送できない衝撃の葬送方法。
かつて私が子ども時代に観た「素晴らしい世界旅行」という日立のドキュメンタリー番組で初めて知り、あまりのインパクトに魂が震えたのを覚えています。

チベットでは、亡骸は「ただの器(うつわ)」であり、魂はすでに天に還っているという考え方があるのです。
だからこそ、躊躇なくその器を鳥たちに捧げる。そう、それは“天葬(てんそう)”とも呼ばれています。

なんというスケール感!
なんという死生観!

怖い……けど、美しい。

■鳥葬だけじゃない!チベットのカオスな葬送文化

チベットの葬儀には鳥葬の他にも、

  • 土葬(伝染病や犯罪者など)
  • 水葬(乳幼児や貧しい人)
  • 火葬(高名な僧や貴族・学者)
  • 塔葬(ダライ・ラマ級の聖人)

「死」とは、魂のグラデーションであり、生前の徳や社会的地位で“送り方”が変わる——まさに人間の最期を表現するアートなのです。

ちなみに、チベットは標高が高く木が少ないので薪が貴重。
冬は土が凍るため、土葬も困難。そんな地理的背景もあって鳥葬が最も一般的に。

四川省のラルンガルゴンパという僧院では、なんと観光客向けに鳥葬を公開していた時期もありました(2006年以降は撮影禁止)。
気になる方は「Tibetan Sky Burial」「Bird Cremation」で検索してみてください。ヒヤッとする映像が見つかるかも……。

■エジプトのミイラは“魂の帰還”のためにあった?

一方、魂が“器”に戻ってくると信じたのが古代エジプト人。
だからこそ、遺体をミイラにして完全保存。ピラミッドはただのお墓じゃなく、“魂を復活させる装置”だったという説も。

ミイラ vs ハゲタカ。
保存 vs 還元。
この対比、ゾクゾクしませんか?

■日本人の死生観も変わりつつある?

かつては「お墓がなければ死ねない!」くらいの勢いだった日本人ですが、最近では

  • 墓じまい
  • 海洋散骨
  • 永代供養墓
  • 樹木葬

など、「お墓を持たない選択肢」が急増中。

もしかすると、我々も“魂は器に宿る”という感覚から、“魂は自由”という考え方にシフトしてきているのかもしれません。

■まとめ:あなたの魂は、どこへ行きますか?

死は終わりではなく、文化の鏡。

鳥葬、ミイラ、お墓じまい……それぞれの葬送には、その土地の哲学と死生観が込められています。
あなたは自分の“器”をどう扱ってほしいですか?

——天に喰われるか、未来に蘇るか。

それとも、静かに海に溶けていくか。

死後の旅路は、まだまだ奥が深いのです。


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次回は「火葬の起源とゾロアスター教の“風葬”」についても書こうかと企み中……。