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遺体修復士の備忘録

2022.02.5 カルテに書けない事件簿

【実録】アレルギーは、家に置いてきました。〜内科外来で遭遇した“持ち物トーク”〜

それは私が内科外来のリリーフに入っていたときのこと。
花粉の季節、ある中年男性が「鼻水が止まらなくて……」と来院されました。

ごく普通の風邪?それともアレルギー性鼻炎?
原因を探るため、丁寧に問診を進めていったその時――


症状チェック、順調に進行中…のはずが

「三日前から鼻水が出てますね?お熱は?」
「いえ、熱はありません」

「そうですか。じゃあ、何かアレルギーはお持ちですか?」

男性は、少し考え込んで、頭をひねったあとにこう言いました。

「あ、アレルギーですか? え、え〜と……」

「す、すみません!今日は家に置いてきてしまって!」

ふぁっ!?!?

**アレルギーって、置いてくるものだったんですね!?**


まさかの「持ち物扱い」に外来がザワつく

あくまで真剣な表情で言い切る男性に、こちらは一瞬フリーズ。
持ち物忘れた感覚で「アレルギーは家に…」と来たか。

おそらく言いたかったのは、
「アレルギーの診断書か、薬の情報を持ってくるのを忘れた」
ということだったのでしょう。たぶん。きっと。おそらく。

でもその“日本語のふんわり具合”が、たまらなく愛おしい。


まとめ|医療現場には、笑いと癒しがあふれている

病気の話だけではなく、
何気ない言葉のやりとりにも、ほっこりと笑える瞬間が潜んでいます。

アレルギーは置いて来れないけど、
今日の笑いは、きっとこの男性が持ってきてくれたのでしょう。

今日の忘れ物:アレルギー。
でも、笑いは持参済み。