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ご遺体のお医者さん

2022.01.28 コラム

世界の火葬から

こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。
またまた、キャッチーなタイトルで、、、、。
ご存じとは思いますが、ご本家は世界各国の鉄道の車窓から見える景色を案内する5分程の紀行番組ですね。
放送期間は実に長くて1987年6月1日より現在もオンエア中で、ご長寿番組では「徹子の部屋」の次に実は長いのだそうです!
最近少なくなったドキュメント番組。
私の大好物の分野でした。

私が小学校時代にあった日立のドキュメンタリー番組で「素晴らしい世界旅行」ってあったのです。
1966年10月9日~1990年9月16日まで。
実に1010回も放送されていました。
ナレーションは久米明さん。

普段はチャンネル権を絶対に渡さない父が、唯一観せてくれた番組でした。

取材も大変だったと思います。
お陰で世界の広さを知る事ができたものでした。
そんな中でもチベットの鳥葬はセンセーションでしたよ。
今の日本では放送コードに抵触するから二度と放送出来ない内容でしょうね。

亡骸をハゲタカに食べさせちゃうなんて!
子供心にインパクト絶大でした。

チベットという土地柄と宗教で、あちらのお弔いはもっとも一般的な鳥葬をはじめ、土葬、火葬、水葬、塔葬と数多くあり、伝染病や犯罪者は土葬、貧しい人や乳幼児は水葬、高名な僧や貴族・学者は火葬になるそうです。
また、ダライ・ラマの様な崇高な人はミイラにして塔葬とされるのだとか。

チベットは標高が高い高原なので、樹木が無く薪が高価なのです。
また、冬季は土が凍結してしまい掘る事も難儀になるので、こんな形の葬送ができたのでしょうね。

現在も四川省色達県にある僧院郡「ラルンガルゴンパ」では観光地として鳥葬を一般人に公開しているそうです。
Tibetan sky Burial で検索すると動画が見つかりますよ。
2006年以降は撮影とかは禁止されているので、古いデーターかも知れません。
それ以外にも Bird Cremation でも検索できます。

器を大切にする人と気にしない人

チベットの人は、亡骸は単なる器で魂は天に返るとされて鳥葬(天葬)をします。
一方で、魂がやがてその器に返ってくると信じたエジプト人は亡骸を保存してミイラを作りました。
近年の研究でピラミッドはお墓では無くて、魂の復活の儀式を行った場所らしい事が分かってきました。
お墓は別に王家の谷という墳墓がありますしね。

人々も時間の流れの中で、その価値観も変化してゆくのでしょう。

最近の日本人がお墓に執着しなくなったのがその表れかと思います。
日本でも墓じまいや、海洋散骨などのお墓を持たない考えが増えてきていますしね。