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ご遺体のお医者さん

2019.08.6 コラム

湯灌(ゆかん)サービスについて

こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。

納棺前にご遺体を清拭する事を『湯灌』といいます。
地方によっては「にっかん」と言う表現をするところもあります。

近年は簡易バスタブを自宅や葬祭ホールに持ち込んで
ぬるま湯でご遺体を洗う『湯灌』サービス業があります。

闘病が長くてお風呂にも入れなかったから最後にお風呂に入れてあげたい。
お気持ちは分かります。

でも、当方は反対しています。
なぜなら、アナタは新鮮なお魚をお湯で洗うのをどう思います?
そう聞きたいのです。

生のお魚は早く冷やさないと鮮度が落ちますよね?
お湯で洗ったら、臭いも出ますよね?

ご遺体も同じなんですよ。

早く冷やすべきなのにお湯に入れて洗うなんて、その後のトラブルでお金が掛かる事をお勧めは出来かねるからです。
ましてや、素手で洗う行為はかなり危険な話になります。
(一部の葬儀社では素手でするのが尊厳だとか言いますが)
ご遺体からも感染症はうつるののは、歴史が証明していますよね。

絶対にダメとは言いません。
お風呂に入れて気持ちが済むのならそれもご供養でしょうから。
しかし、綺麗にしたっていう思いは遺族の主観だとお考え下さいね。

ご遺体は非常にデリケートになっています。
移動や動かす事にもかなりリスクがあるのです。
分かっていてお勧めはできません。

お風呂に入れて顔が変色したとか、皮膚が剥けてしまった!臭いが出た!
沢山のトラブルを聞いています。
実際に、湯灌サービスの納棺業をされていたスタッフさんからご相談があった事もしばしば。
「このサービスって、正しいのでしょうかね?」って。

それでもしたいのでしたら、自己判断で。