2025.03.26 グリーフ関連のコラム
ブチハイエナは“汚れ仕事”の象徴じゃない。誤解され続けた私の愛する動物

「ハイエナが好き」——幼少期の私がそう口にしたとき、大人たちの反応は決まってこうだった。
「気持ち悪い」
「変わってるね」
「なんでそんな動物が好きなの?」
けれど私は、彼らの魅力を知っていた。幼い頃に見た動物ドキュメンタリーの中で、サバンナの陽炎の向こうに映ったブチハイエナたち。彼らは賢く、仲間思いで、そして何より生きることに誠実だった。
悪役にされがちな「掃除屋」たち
ブチハイエナは、自然界では「掃除屋」とも呼ばれています。腐肉を食べ、死体を処理する彼らは、実は生態系にとってなくてはならない存在。
しかしアニメや映画ではどうでしょう?『ライオン・キング』のように、「狡猾で卑劣」「笑いながら人をだます」そんなネガティブなステレオタイプで描かれてきました。
これは、現実の彼らとは大きく異なります。
- メスがリーダーを務める社会性の高い群れ
- 複雑な声を使い分ける高度なコミュニケーション
- 実は狩りの成功率もライオン以上(統計あり)
彼らは「死」や「腐敗」と結びつくために忌避されがちですが、実際には命の循環を支える清掃者なのです。
私はずっと「社会の裏側」で生きてきた
今、私はあることに気づいています。
ブチハイエナを好きだと言ったあの頃から、私自身もまた、ずっと「社会の掃除屋」として生きてきたのです。
- ゴミ収集・処理
- し尿の管理
- 火葬・葬儀・遺体ケア
誰もが目を背けたがる仕事。でも、誰かがやらなければ、社会は1日たりとも回らない。
それでも、私たちのような仕事に対しては、いまだに「不浄」「気持ち悪い」「下に見ていい」という偏見が根強くあります。
だからこそ私は、ブチハイエナに惹かれたのかもしれません。彼らに自分の姿を重ねたのだと思います。
汚れ仕事は、命の現場だ
死を扱い、腐敗と向き合い、清潔と衛生を保つ。
それは、社会における命の管理であり、命の尊厳を支える仕事です。
ブチハイエナもまた、死を汚物としてではなく、次の命の糧として消化していく動物。彼らは、命を“片付けている”のではなく、“つないでいる”のです。
おわりに 〜ハイエナに救われた、もう一つの命〜
私がブチハイエナを好きで良かった。そう思います。
誰かに「気持ち悪い」と言われても、「変わってる」と笑われても、あの動物を通して偏見の向こうにある真実
ブチハイエナは、“誤解されがちな存在の象徴”。でも、そんな彼らがいたからこそ、私は自分のしている仕事に誇りを持ち続けられたのかもしれません。
次にブチハイエナを見たとき、少しでも彼らのことを思い出してもらえたら嬉しいです。