2019.11.7 葬儀
終活・死化粧の事前相談について
こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。
今回は終活と死化粧の事前相談についてです。
数件のご依頼とご予約を頂いておりますが、注意点がありますので
『ご本人』が今後にお考えの方は参考にしてください。
執行するのはあなたでは無い
そうなんです。
準備をするのはアナタですが、『執行』の依頼はアナタではなく
『喪主』あるいは『施主』になる方になります。
依頼が生じた時に、アナタはこの世に居ないのですから。
この当然の事なのですが、意外に盲点になります。
昨年に終活と死後の死化粧のご依頼を頂いたケースですが
『ご本人』からのお話でした。
死後にみっともない姿になるのは嫌だとの事で
お着せ替えとお化粧のご希望でした。
当時はとてもお元気で、テキパキと断捨離をされたり
最後に着る服の選定をされていたのです。
お子さんがお一人で一人娘さんでした。
「この終活ノートに全部書いているの」
そう仰っていました。
『終活ノート』を見れば困らない様にされていたのです。
やって欲しい事。
連絡して欲しい人の名前など。
こちらへの依頼の内容もそこに記載されていました。
問題はここからです。
その終活ノートを、依頼者のこの方の『死後』に
喪主の娘さんが見たのは亡くなった一週間後でした。
予想外の病気による突然の死でした。
(この方は心臓疾患の履歴でしたが、死因は夏風邪をこじらせた肺炎でした)
一人娘さんは気が動転してしまい、『終活ノート』の事など
すっかり忘れてしまったとの事でした。
既に葬儀は終わり、やるべき事の半分が残ってしまったそうです。
こちらへの連絡も全てが終わってからでした。
『母の残したノートの依頼の内容と、見積もりについてありました』
『不履行になってしまいましたね。ノートがあるから大丈夫だと生前にご本人が言っていましたけど』
『済みません。突然の事でノートの事など忘れてしまいました、、、』
こうなっては取り返しが効きません。
ご本人が嫌がっていた『白装束』を着せられ
(ご本人がご用意されていたのは薄い紫のブラウスでした)
口が開いたままの顔。
連絡をして欲しかったご友人へも連絡がおくれてしまい、葬儀に参加できなかったそうです。
お元気な方でも『死』とは突然に来るものなのです。
では、このケースの場合はどうすれば未然に防げたのでしょう?
情報は共有しましょう
終活をされる方にいま、申しているのは
『終活ノート』など葬儀で使用する大切なものの情報は『共有』する事です。
『喪主』あるいは『施主』になる方は
死後に冷静に判断できる信頼できる人に
『終活ノート』の事を伝えておくのです。
今回のケースでは
普段はご本人が肌身離さず持っていたそうですが。
状態が急変しての緊急入院では、その所在が分からなくなるのです。
(この方は普段寝ているベッドのマットレスに挟んでいたとの事)
慌てているうちに亡くなり、そのまま葬儀へ移行して
何も分からない状態で、搬送してくれた葬儀社へ依頼し
そこに所属する『納棺師』に『白装束』を着せられ
『お化粧』をされる。
しかし、アフターケアも受けないので
ご遺体の口が開くケースが多くあります。
そして、そのまま火葬されてしまいます。
ここまでは一気に流れます。
こうなると、葬儀社へ希望を伝える時間が無くなり、もう『終活ノート』の意味はありません。
せっかくの準備が台無しです。
そうならない為にも、緊急時に対応できるように
色々な事を想定して準備してください。
喪主の娘さんが最後に言っていた言葉が印象的でした。
『ママが本当に死ぬなんて思ってもみませんでした』
そうですね。
親が亡くなるなんて経験は初めてでしょうし
想像なんてできない事でしょう。
でも、人は100%死ぬのですよ。
まとめ
『終活』をされる方。
『エンディングノート』を書かれる方。
死後にご自分の姿を何とかしたい方は
『一人でやらない事』
『情報は三人以上で共有する事』
今回は終活不履行になったケースの事例のお話でした。