2022.01.25 葬儀
遺影の準備
こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。
昔の人は60歳を過ぎた辺りで、遺影になる「肖像画」を準備していた方が結構いました。
ご先祖様の肖像画の遺影を見た事がある人もいるかと思います。
私がご葬儀に関わって、意外と多くあって困っているのが実は遺影の写真が無い事。
人って、余程の事が無い限り大体は60歳過ぎると容姿ってそんなに変化しないのですよ。
60歳→80歳が劇的に変化した人って、見た事ありますか?
多少は老けて見えるでしょうけど、余り変化はしていないと思います。
むしろ、ちょっと若く見える60代の頃の写真が良いかと思います。
50代ではとっと若いかも?
いざ、葬儀になるとバタバタと必ず遺影の写真を探す事になりますが、案外と見つからなくて皆さん難儀しているのですよ。
どこかの団体旅行の集合写真の隅にちょっとだけ写っていたとか。
親戚の結婚式の記念写真の隅に写っていたとか。
デイサービスに行った時の集合写真とか。
しかも小さくて、目をつぶっているとか、顔の向きがおかしかったり、遺影写真に加工するにもボケててなんだかなぁって写真しか無いってあるあるですよ。
どんな方でも葬儀は亡くなった方が主役ですから、遺影の写真が残念なのは後々に残ってしまいます。
弔問された方も、遺影って結構見てますしね。
なにせ、祭壇の中央で一番に目立つ場所ですから。
ある程度の年齢になって、終活を考えている方なら年に一回程度はスナップ写真の撮影をお勧めします。
元気な時に多少おめかしして、髪も整えて写しましょうね。
その写真も遺族が分かる場所に置いておくことです。
遺影の歴史は江戸時代中期から明治時代初期辺りから
遺影の習慣が始まったのは、江戸時代中期から明治時代初期辺りで、当時は絵師が書いた似顔絵。
故人の記録として「死に絵」と言われていたそうです。
今でも遺影を描く日本画家さんとかお見受けしますね。
スナップ写真が主流の現代でも、肖像画も味があって良いかも知れませんね。
現代は写真加工用のソフトやアプリが沢山あって、かなり美化する事が出来ます。
笑っていない表情も笑顔に出来る時代です。
見た目の印象はやはり、笑顔が一番ですからね。
遺影が遺族や弔問客にとっての最後の記憶にもなります。
私の親族の伯父が亡くなった際の遺影の写真が無くて、故人が70代なのに写真は40代の頃の物しか見つからなくて結果、故人には髪が無いのに遺影の故人はフサフサで 誰? 状態でしたよ。
何とも微妙なお葬儀で、親族間で今でも語り草になっています。
それこそ黒歴史です。