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遺体修復士の備忘録

2024.08.8 筆者が体験した怖い話

人形の追悼ホラー

こんにちは、遺体修復士のエンゼル佐藤です。

今日は「人形供養」にまつわる、実際に私が体験した奇妙な出来事についてお話ししましょう。

正直なところ、私はオカルトや心霊現象に対して懐疑的な人間です。世の中には説明のつかないことが数多く存在しますが、それをすぐに「霊の仕業」と決めつけるのは違うと思っています。しかし、時にはどうしても理屈で説明できない“何か”が起こるのも事実。

これは、私がとある人形供養の現場で遭遇した不可解な出来事の記録です。


人形に宿る念――「人形供養」とは?

人形(ひとがた)には、持ち主の念が宿ると言われています。

古来より、日本には人形を単なる「おもちゃ」としてではなく、「魂を持つもの」として扱う文化がありました。だからこそ、不要になった人形をゴミとして捨てるのではなく、神社や寺院で供養する風習が今も残っています。

「人形供養」は、故人が遺したものや長年大切にしてきた人形に感謝を込め、手厚く送り出すための儀式です。しかし、供養の場では時として“奇妙な出来事”が起こることがあります……。

これは、私が親族が経営するの葬儀社で人形供養のお手伝いをしていたときの話です。


供養の場に集まる人形たち

その日、供養祭にはさまざまな人形が集まりました。

・ひな人形や五月人形 ・抱き人形や市松人形 ・キャラクターのぬいぐるみ ・アンティークドール

供養祭では、これらの人形を祭壇に並べ、僧侶が読経し、ご供養を行います。

私は何度かこの供養祭に関わっていますが、この日はどうも、いつもとは違う空気が流れていました。

そして、次々と奇妙な出来事が起こったのです。


【怪異その一】濡れるキューピー人形

最初の異変は、一体の小さなキューピー人形でした。

手のひらに乗るほどの小さなプラスチック製のキューピー。年季の入ったその人形を、供養のために祭壇に置きました。

しかし、数分後に見てみると――

人形の周りが湿っている。

不思議に思い、布で拭きました。しかし、しばらくすると、また湿っているのです。

誰かが水をこぼしたのか? いや、それにしても周囲は乾いている。

まるで、人形自身が“涙を流している”かのように……。


【怪異その二】動き回るネズミのキャラクター人形

次におかしな現象が起きたのは、某有名キャラクターのネズミのフィギュアでした。

このフィギュアは、供養のために祭壇の中央に置かれていたのですが、気がつくとなぜか端に移動しているのです。

「誰かが動かしたのか?」

最初はそう思いました。しかし、誰も触っていないはず。

試しにもう一度、祭壇の中央に戻してみました。

数分後――

また隅にいる。

再び中央に戻しても、やはり端に移動する。

この不可解な現象は何度も繰り返されました。

まるで、何かを避けるように……。


【怪異その三】消えた大松明

最後の出来事は、供養祭が始まった直後に起こりました。

祭壇の両側には、**大松明(おおたいまつ)**と呼ばれる、葬儀で使用する大きな蝋燭が灯されていました。

供養が始まると、祭壇から妙な圧迫感を感じました。

「何かがいる?」

そう感じた次の瞬間――

左側の大松明の火が、激しく揺れ始めたのです。

そのホールには窓はなく、エアコンの風も祭壇には当たらない。それなのに、蝋燭の炎だけが荒れ狂っていました。

「いや、風なんてないはずだ……」

そう思った瞬間、

フッ……

炎が、突然消えたのです。

誰も触れていないのに。

これまで何度も供養祭を見てきましたが、大松明の火が勝手に消えたことなど、一度もありませんでした。

なのに、この日に限って。


人形供養の先にあるもの

これらの出来事に、明確な答えはありません。

しかし、一つだけ言えるのは、人形には持ち主の“想い”が宿るということ。

それが感謝の念なのか、未練なのか、それとも何か別のものなのかは分かりません。

ただ、長年一緒に過ごした人形を手放すときには、粗末に扱わず、しっかりと供養することが大切なのかもしれません。

さあ、あなたはこの話をどう感じますか?

果たして、これらの出来事は偶然だったのでしょうか?

それとも……。