2022.02.5 カルテに書けない事件簿
【実録】事件は診察室で起きている!入れ歯パニックと茶飲み友達の秘密

ある日、私が外来勤務していた耳鼻科で起きた“とんでも事件”。
苦しそうに来院された高齢男性の喉に詰まっていたのは、なんと――「誰かの入れ歯」!?
あの名セリフを叫びたくなる、笑いと混乱の診察室劇場をどうぞ。
入れ歯が喉に!?突然の緊急受診
あれはある晴れた外来日。
診察も落ち着いてきた午後、ひとりのお爺ちゃんが受付に駆け込んできました。
「先生ぇぇぇ!苦しいっ!喉に何か詰まってるんです!!」
顔面蒼白、ゼーゼー息をしながら診察室へ。
すぐに喉頭鏡でのぞいてみると、そこには…
喉の奥でピコピコ動く「入れ歯」
ありました、ピコピコ動く異物――
明らかに入れ歯!!
鉗子(かんし)を使って慎重に摘出すると、無事“謎の入れ歯”を捕獲!
「助かったぁ……先生、ありがとう……」
お爺ちゃんは涙目でペコペコと頭を下げて、ひとまず一件落着かと思われました。が――
えっ!?すでに上下の入れ歯、入ってますけど!?
摘出した入れ歯を見た医師が、ふとお爺ちゃんの口の中を確認して絶句。
「……お爺ちゃん? これ誰の入れ歯?
君の口にはもう、上下ちゃんと入れ歯が入ってるけど……?」
スタッフ一同、時が止まる。
まさかの――二重入れ歯装備。
お爺ちゃんの告白「それは茶飲み友達の……」
お爺ちゃん、しばし沈黙ののち、しどろもどろにこう呟きました。
「あ、あのぉ……それは……
茶飲み友達の婆さんの、かもしれん……」
――まさかの!
婆さんの入れ歯、どうやって喉に!?
いや、どうしてそんなもん飲み込むの!?
想像が追いつかないスタッフ一同。
もはや、事件は会議室じゃない。
診察室で起きているんです!!!
まとめ|医療の現場は、今日もドラマだらけ!
医療現場では日々さまざまな“事件”が起きています。
それぞれの患者さんの人生が交錯する場所だからこそ、想像を超える出来事に出会うこともしばしば。
でもだからこそ、人間って面白い。生きてるって、尊い。
次はどんな“珍ドラマ”が待ち受けているのか――
そのすべてに、ほんの少しの笑いと、たくさんの優しさを。