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ご遺体のお医者さん

2022.02.14 豆知識

2022年版エンゼルメイク(死化粧)の注意点

こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。
今回は、亡くなった方に行うエンゼルメイク(死化粧)について解説します。

亡くなった方は生きている方とは違う状態になっている事をここでご理解頂ければ幸いです。

まず、人が亡くなるとその時点で自己融解という状態が始まります。
分かり易く言うと「腐敗」です。

新鮮なお魚やお肉でも常温でおけば傷んできますよね?
ご遺体もまさに生ものなので常温では腐敗が進行します。
鮮度の良いマグロのお刺身が、宴会のお膳で赤黒く変色していて美味しそうに見えなくなっているのを見た事がある人は多いと思います。
腐敗とはまさにそれ!

スーパーで買った生鮮食品は帰宅後に直ぐに冷蔵庫に保管しますよね。
本来ならばご遺体だって状態を保つには冷蔵しなければ傷んでしまいます。
そして、一度腐敗してしまったら元には戻らないのです。

ご遺体はまさに、不可逆性なのですよ。
お刺身みたいに、顔の色とかも悪くなるのです。
別の記事でも書きましたが、最初は緑色が出てきます。
目の周りとかが次第に緑色に変色してきます。

生きている人が緑色になったのを見た事がある人は居ないと思います。
生きながらに腐敗はしませんからね。
しかし、その緑が次第に広がっていくのです。
全員が100%、緑になる訳ではありませんが、腐敗するとまずは緑色だとご理解ください。


遺体からは油分も水分も出ない

これも当たり前なのですが、ご遺体にお化粧をする事なんて普段はありませんから、意識しないことが当然ですよね。
しかし、病院とかで亡くなると普通に生体用の化粧品で死化粧をしてしまうケースは実に多いのです。
これが後々に問題を起こしてしまう事が多々あるのをご理解ください。
なぜなら、病院は治療を行う場所なので亡くなった方の専門知識は必要が無いからです。
私も看護師でしたが、死後変化には全くの無知でした。
看護師とは人生かす勉強をするのですから。

まず、第一に生体の用のファンデーションは油分が少ないのです。
生きている人用ですから当然です。
しかし、ご遺体からは油分は出て来ないのですよ。
そして、粉状のパウダーファンデーションは、油分や水分をどんどん吸い取る作用があります。

ご遺体は亡くなった時点から油分や水分がどんどん失われていきますから、粉状のファンデーションを使うとお顔がどんどん乾燥してしまいます。
結果、化粧崩れなどのトラブルが起きてしまうのです。
どれ位乾燥するかと言えば、髭を剃った方が翌日に髭が伸びて見えるくらいに皮膚が縮むのです。

一度崩れた化粧を直すのにも塗ったものを落として再度化粧をするにも、皮膚ももろくなっていたり変色も起きてしまいます。
ましてや乾燥が進むので、お肌のケアをするにも生体用ではカバーが難しくなります。
こすったり押したりした部分が変色してしまい、普通にお化粧するにも困難な状況にもなってきます。
生前に個人が使用されていたファンデーションも、死後には色が合わない事もしばしばあります。
とにかく、回復力が失われた状態なので、傷も元には戻りません。

色も血の気が失われた状態ですから、通常のファンデーションでは色も合わないでしょうね。

まずは保湿!

私が死化粧を行うには、まずは保湿をします。
どうしてもお化粧をしたいのでしたら、油分の多い保湿クリームを下地に縫って油分の多いファンデーションお勧めします。

簡単な方法の保湿でしたらフェイスマスク(パック)が良いと思います。
メーカーはどこの物でも大丈夫です。
ドラッグストアやコンビニでも購入できますし、使いやすいですからお勧めですよ。

私も最近では最初のご遺体のケアで使っています。
高齢の女性でもフェイスマスクをすると、ご遺族にはとても好評ですね。

「気持ち良さそう」
「リラックスしているみたい」
などなど。

ただし、ご家族以外がされる場合は必ずご遺族の許可を頂いてからにしましょう。
遺族心理を無視する行為は、例え良い事でも無断はNGですからね。
この保湿だけでもかなりお肌が綺麗に見える事も多いです。
特に男性はファンデーションを使えない事も多いので、保湿は大切です。

高齢者のお化粧には要注意!

悪気はないのでしょうが、施設や病院で亡くなった特にお婆ちゃんに念入りにお化粧をしてくれるケースがたまにありますね。
しかし、ご高齢の方でバッチリとメイクをされる方は本当に少数だと思います。
ご生前にそういうお化粧をされているなら、ご遺族も納得されると思いますが、時にはせっかくに気合を入れたお化粧がクレームにもなりますので、病院施設ではまずは保湿に留める事をお勧めします。

理由の一つに、葬儀の日程は死後に決まりますから。
もし、化粧後に葬儀まで結構な時間が経過するとそれこそ崩れて悲惨な事にもなりかねません。
場所や季節にもよりますが、一週間とか掛かるケースも割とあります。

お化粧とは綺麗に見せる事ですからね。
お通夜や本葬の際に一番綺麗な状態が望ましいでしょう。
化粧とは読んで字の如し「化けて装う」ので主観で行うと他人になってしまう事もあります。

「俺の婆さんが花魁になっちまった!」
と激怒されたケースもありましたよ?(笑)

まとめ

エンゼルメイクはまずは保湿
油分の多いファンデーションを使う、粉状ファンデーションは使わない
主観では行わない

それから、ご紹介したい動画がありますのでお時間がある方はぜひ観てくださいね。
東京23区内で葬祭業を営む四人のSが付く社長さんの葬儀の四方山話
「びきまえ」
中々に面白いですよ?
今回のゲストの『J原さん』はなんと!私のお師匠さんです。

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