• カテゴリ

  • キーワードで探す

ご遺体のお医者さん

2023.08.17 コラム

2024年版 介護士によるエンゼルケアについて

こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。
さて、近年は介護施設でも「看取り」を行う施設が出来てたようです。
実は、私が遺体感染管理士の資格を取る勉強をしていた時(2019年)頃の介護施設ではまだ、看取りを行う介護施設の話はありませんでした。
※公的な特別老後施設では終末期まで看取る施設もあります
しかし、介護施設への入居者が増え、状態が悪くなっても病院の病床が満床で入院できず、受け入れ態勢が困難となり、いよいよ介護施設での看取りが始まったのです。
同時に介護士のエンゼルケアについての問題も同時に浮上してきました。
これは、私が学んでいた時点で危惧していた事でした。

では、介護士にエンゼルケアをさせる事はどうなのか?
結論から言えば、2024年の時点で介護士には極一部の医療行為しか認められてはいません。

エンゼルケアは治療では無いので法的にはかなりグレーです。
しかし、カテーテル抜去や点滴針の抜去は医療行為になるので、死後処置の際にこれらが必要な案件については、やはり介護士が行うべきでは無いと思われます。
実際問題、人体構造を学んでいなければ、エンゼルケアの最中に遺体を傷つける事にもなります。
そうなると、遺体損壊という法律に抵触することにもなりかねないので、現時点では介護士主体でのエンゼルケアを行うのは、危険な行為と言わざるえ負えません。
介護士がやっても良い医療行為は

・バイタルチェック
・爪切り
・座薬の挿入・内服薬の介助

研修を受けた介護士及び2016年一月以降に介護士(学習カリキュラムに含まれている)の資格を取得した者が行える医療行為

・喀痰吸引
・経管栄養

上記以外の医療行為は介護士には認められていません。
今後は、もっとできる項目が増える事はあるかも知れませんが、それにはきちんとした講習を受けて、許可を得る必要はあるかと思われます。
それに伴い、資格についての業務内容と法律の改正も必要ですね。
法改正は問題が起こって、改善の余地が認められる事象が起きて初めて問題提起されるので、今後の厚労省の法改正に注目です。

もし、介護士にこれらの業務行為を求める事があれば、それは施設責任者に相談するとか、事業所のコンプライアンスや雇用契約の内容を確認する事をお勧めします。
知らなかったで済まないのが法律です。

もっと、自分の仕事に関わる法律を学ぼう

日本は法治国家です、法律に違反すれば不法行為となりますので、疑問に思うなら今はネットで調べられる時代です。
自分の身を守る為にも、資格の勉強以外に関わる法律については各々が学ぶ努力をしましょう。

自分は2022年に舅を看取りました。
病棟を離れて久しいので、最新の終末期医療の勉強をして、「終末期ケア専門士」 の資格を得ました。
医療の進歩はやはり凄くて、当時の常識が今は非常識になっている事が多くて驚きました。
しかし、学んだ事で舅の看取りについては随分と役に立ち、穏やかに看取る事が出来ました。
アラ還ともなると、覚えるより忘れる事が早くて、受験会場にも若い看護師さんばかりで、心臓がバクバクでした。
もう、パソコンのモニター越しの試験は初めてで、変な汗が止まらない!
それでも、人の命に関わる事象には気を抜けないと思い、学ぶ選択をしました。

仕事には責任が伴います。
どうか、もう年だからとか、今更とかいって学びを疎かにしないでくださいね。
時代の変化が早くて生きるのが大変な時代ですが、流れに乗らないともっと辛くなると自分は思っています。
常に情報は最新のものを。