2023.10.10 コラム
脚だけの火葬
こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。
本日は、部分火葬についてのお話です。
部分火葬って?
それは、手や脚だけの火葬がある事なんですよ。
生きているうちに、病気や怪我などで手脚を切断してしまう事もあるのですよね。
では、切断した部位はどうなるの?って事からですが、処置をされた病院側で処理をする場合と、本人に渡してくれる場合もあるのですよ。
まあ、衛生的な事を考えたら令和の現代では殆ど、病院で処理してくれる方でしょうけど、時と場合に寄っては本人の体の一部であることから、渡してくれるケースもあるのです。
そういった場合に、部分火葬として役所に部分火葬用の許可証を発行してもらい、部分火葬をしています。
火葬後に残った骨は、本人にお渡しして保管して貰い、後に本人が亡くなって火葬された際に、骨壺に入れて頂く旨を説明します。
※ これはあくまで全骨収集をする地域での火葬のケースです。
ひと昔前、出産も自宅分娩でお産婆さんが取り上げてくれた時代には、出産で出た産褥汚物(胎盤やへその緒)は当家で処分したのです。
大抵は、当家の墓地に埋めたそうですが今の時代にはそれは殆ど不可能です。
私が関わった火葬場には、人用の火葬炉・ペット炉・汚物炉の三つがあり、産褥汚物は汚物炉で火葬していました。
産褥汚物は、今では病院で処理されますが、臍帯血利用や胎盤には重要なホルモン物質がある事がわかってからは、それらを有効的に使用するため、産褥汚物は製薬会社と提携している業者が引き取り適切に処理をする流れが出来ています。
人の火葬にまつわる話だと、どうしてもホラーやオカルトチックな事象を求めがちかと思いますが、事実はそんなドキドキする様な話はありません。
エンタメ要素で盛らないと、面白おかしく見たりして貰えないので、元火葬夫さんとかがちょっとそれは?という内容やキャッチ―がタイトルを付けたりして語っている場もありますが、実際はそんな話は無いものなんですよ。
私からしてみれば、生きた人の事象の方が余程ホラーだし、病院なんかは最大の事故物件だと思います。
殆ど全ての病院の個室って、亡くなった人が多数いますから。
新品未使用で無い限り、個室のベットでは必ず死人が出ていますよ?
自分はそんな現場に関わった者として、淡々と事実を述べていく所存です。
そんな中でも、説明が付かない事象も少しはありますが、それでも原因はあるのだと思います。
例えば、管理していた火葬場のセキュリティセンサーが、どうしても夜中の嫌な時刻に反応する事象があって、契約している警備会社が警報がなる度に、確認で建屋の警備に来る訳です。
夜中の火葬場、しかも毎回になぜか告別室と決まってセンサーが反応するという。
しかし、見まわっても異常は無し。
それでも、再々に反応するセンサー。
そりゃ、嫌でしょうねぇ。
とある、深夜帯に警備から入電。
「夜中にすみません!とんでもない事が!」
粟を食ったみたいな警備担当の方の切羽詰まった声。
現場に駆けつけてみると、、、、。
建屋敷地の入口にある、重さ100キロを超える鉄の門扉が見事に倒れていて、その前で警備の方が青い顔で右往左往。
「一体何が?」
「す、すみません!警報がなったので確認に来て、開けようとしたら、、、、」
門扉を押して開けようとしたら、門扉を支える丁番がぽっきり逝ったらしい。
「ありゃ、怪我は?下敷きにならないでよかったですよ!」
まあ、金属疲労かね?
実際に怖いのは、こんな現実的な事故案件だったりする。
件のセンサーについては、不具合として機器を交換して反応が無くなったので、機械の初期不良という事で報告は終わり。
場所が場所だけに、何か霊的なって言いたくなるけど、まあ機械の故障でしょうね。