異国の死化粧師事情

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2019.11.25 コラム

こんにちは、死化粧師(しげしょうし)エンゼル佐藤です。
今回は、海外の同業者の仕事事情についてのお話です。

死体の苦手な人やお食事中の方はスルーしてください。

ネットで『死化粧』と検索すると
よく出てくるキーワードの一つに
『オロスコ』とあります。
オロスコとは人名です。

死化粧師オロスコとは


南米コロンビアで実際に存在した死化粧師(エンバーマー)
その記録ドキュメンタリーDVDが発売されています。
今回はそれを観た感想になります。

なお、興味本位で観る作品ではありません。
娯楽性の低い記録映画です。

『死化粧師オロスコ』
日本人映画監督 釣埼清隆によって収録編集されたドキュメンタリー作品
初公開:2001年
制作:V&Rプランニング
言語:スペイン語

◆あらすじ◆

コロンビアのボゴタは非常に治安が悪く
日常的に殺人が行われる地区です。
街中のそここに死体が転がっており
そこに住む子供達でさえ、慣れた目つきでそれを見ています。

そんなボゴタで低料金で遺体の修復を請け負う
死化粧師(エンバーマー)フロイライン・オロスコ。

年間に約100体。
金額は一体につき日本円で5,000円ほど。

けして綺麗とは言い難いタイル貼りの処置台。
錆びた剪刀とわずかな器具。
そこの上に無造作に置かれた遺体を黙々と処置するオロスコ。

ぶっきらぼうで無造作。
まるで布団か畳を縫う職人さんみたいに
遺体の傷を縫う。
縫合(ナート)と言うには、少し乱暴な所作で
まさに縫うという表現がぴったりします。

それでも、仕上がりはそれなりに綺麗になり
彼を頼りにする遺族は多いのです。

暴力と殺人に支配された、日本では想像し難い
酷い環境。

オロスコ自身もこの映画の撮影中に亡くなっています。

いつ、こんな仕事を始めたのかは
分かりませんが彼自身も犯罪者だったと言われており
その罪の贖罪の意識の表れかも知れません。

無造作に見えるその仕草にも
実は彼なりの遺体に対する『愛情』があるのかも知れません。

彼が亡くなるまでに処置した遺体は5万体。
ボゴタはほぼ土葬の習慣です。

こんな暴力が支配する国でも
傷ついて亡くなった家族を不憫に思い遺族は
オロスコに修復を依頼し、そして天国に見送るのです。


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