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ご遺体のお医者さん

2019.07.28 豆知識

亡くなった家族の化粧ってどうしたらいいの?2024年版

亡くなった家族の化粧って、自分たちでは出来ないのかな?


こんにちは、遺体感染管理士のエンゼル佐藤です。
死後の化粧はご遺族でもできるんですよ。

でも、亡くなった人の皮膚は生きている人とは違ってしまっているところもあるので、
勿論、注意点はあります。

では、その注意点をここに書きますね。
ご参考にどうぞ!

※ 強い黄疸や酷い浮腫みのある方、
  皮膚に傷がある   強い変色
  皮膚が剥けている方には不向きです。

亡くなったら直ぐにする事まずは「保 湿」


人が亡くなって、心肺停止してから皮膚の水分と油分は失われていきます。
もう、自力で生み出す力が無いので直ぐに乾燥が始まります。
時間が経つほど、全身はカサカサに。

特に「」は酷く乾燥します。
唇は粘膜なので、一番に乾燥します。
ご年配の方は唇が薄くなっている傾向なので保湿しないと、無くなってしまうほどです。

まずはそれを補って、皮膚を保護する事が、一番重要になります。
お化粧は、まず土台作りから。

保湿は油分の多いクリーム状の物を使いましょう。
身近な物では。

・ワセリン
・ニベアクリーム
・馬油
・ベビーオイル 
         など

とにかく保湿!しつこく言います。

保湿してください!

お化粧は二の次だと思ってくださいね。
保湿して、お肌を保護しておけばお直しもできるし、お化粧しても綺麗にできるんですよ。

実際は、保湿してお肌を整えるだけでも綺麗に見えます。
エンゼル佐藤も施術がこれだけの事もあるんですよ。
特に高齢の男性だと、ご遺族がお化粧を望まないケースが多いですから。

ただし、「化粧水」は使わない事。
「水」なので、蒸発して余計に乾燥します。

女性でも、お風呂上りに化粧水だけ付けて何だか肌がカサカサになった事って無いですか?
そう、実は乾燥しています。
なので、どうしても使うなら「乳液」にしましょう。
でも、亡くなった人には乳液では足りないくらい乾燥するので本来は不向きです。
そこでお勧めはニベアクリーム。
ニベアの「青缶」実は油分が多いですし、コンビニにも売っていて入手しやすいし安価です。
女性の場合にはフェイスマスク(パック)も有効です。
高齢女性にパックをすると、遺族さんに喜んで貰えるケースは多いですよ。

気持ち良さそうとか、リラックスして見えるとか。

これは、エンゼル佐藤が自分で実験してそれなりに効果がありました。

次に、お化粧について。

ファンデーションを使う前にお顔が汚れていませんか?
寝たきりとか、しばらくお風呂に入っていない方は多いです。
顔が皮脂で汚れているケースはよくあります。
特にご高齢で臨終が近い方は、余りケアをできない事が多くあります。

女性なら拭くだけコットン、ヒアルロン酸入りなどでお顔を拭きましょう。
男性なら、〇ャッツビーも良いですね。
特に、入院中にお風呂に入って居ない方は、さっぱりしますよ。

最後のお化粧です。
お肌はデリケートになっています。
傷がつくと死後は回復しませんので、ご注意ください

耳の後ろとか、結構汚れていますので特にご注意。
小鼻とかも、丁寧に汚れを落としましょう。


綺麗に拭いたら、また、保湿。
乾いてしまいますから。
少し油分が沁み込んだらお化粧です。


パウダーファンデーションは使わないでくださいね。

理由はパウダーが油分を吸ってしまうからです。
死後はお肌がどんどん乾燥しますから、使わない様に。
ファンデーションがよれて、化粧崩れの原因になります。

使うなら、リキッドタイプやクッションファンデなどの油分の多い物を推奨します。 

高価な物で無くても大丈夫です。
お気持ちなので。

お色は、見た目の肌の色より濃い目がよいですね。
死後は肌色に血色が無くなっている方が多いです。
色白になってるからとかで、白い色を選びがちですが、
綺麗に見せるにはワントーンかツートーン濃い色がお勧めです。

こすらずに、パフで軽く叩く感じで。
薄くても大丈夫です。
特にご年配の方は普段はお化粧をしないので、あまりお化粧した感じが強いと違和感が出てしまいます。

死後のお肌はデリケートですからご注意ください。

髪の毛の際まできっちりとは塗らない様に。
顔の中心から、外にぼかす感じで。
きっちり塗ると、マネキン人形みたいに見えてしまいます。

次にチーク。

頬骨の一番高いところに、そこを中心にぼかす様に軽く入れましょう。

実は口紅を代用してもOKです。
エンゼル佐藤は口紅をチークにすることもあります。
どっちも同じ色だと違和感が出ませんのでお勧めです。

特にご年配の方には自然に仕上がります。

そして、今度は口紅。

みなさんで、付けてあげましょう。
ご年配者はオレンジ系が似合う方が多いです。
日本人は黄色系の肌なので。


綿棒に取って付けてあげたい人に一本ずつお渡しして、最後の旅のお仕度をしましょう。
はみ出したら、綿棒でお直しできます。

マスカラ、アイシャドウ、アイラインなどははお好みというか、ご遺族でご検討ください。


さて、亡くなった方の基本的なお化粧について。
いかがでしたでしょうか?
重要なのは【保 湿】なんです。

お爺ちゃんが亡くなった時に、髭を剃ったのに翌日に伸びていた。

そんな話を聞いた事は無いですか?
実は伸びたのでは無くて、皮膚が乾燥して縮んだのです。
その分、伸びた様に見えるんです。

亡くなっても家族です。
勿論、お肌の状態が悪くてできない無い方も居られます。

でも、難しいケースで無い限りは保湿で十分対応できるはずです。
大切な方の最後のお仕度です。

どうか、ご家族で送って差し上げてください。


このページが少しでもご遺族様のお役に立ちますように。